2023年2月4日 立春
過去最強の寒波襲来で毎日寒さに耐え忍んでいるところですが、皆様体調を崩してはいないでしょうか。
つい先日お正月を迎えたと思っていたのですが、気づけば1月もあと4日で終わり…
来週2月4日(土)は二十四節気の『立春』です。いよいよ春の到来です。
暦の上では春と言いながら、まだまだ寒さは厳しいですが、自然と共にヒトや動物の身体は春に向けての準備を始めます。中国最古の医学書である『黄帝内経(こうていだいけい)』 では、この時期の養生によりその後の1年を健康に過ごせるかが決まると言われるほど大切な時期です。
中国古代医学の哲学思想の一つ、『陰陽五行説』では、春は五行(木・火・土・金・水)の「木(もく)」に属し五臓(肝・心・脾・肺・腎)の肝と関係の深い季節とされています。木の特徴として、木が上や外へ枝葉を広げていくように生長・発展という特徴があります。同様に身体の中でも気血が上や外に向かって動きやすくなっていきます。そして、大地のエネルギーも陰から陽に転じ、生物の身体も同様に新陳代謝が活発になりエネルギー消費が増加します。冬の間に蓄えたものを使い始めるのです。
ただし、肝の働きが活発になり気血が上昇しやすいため、環境変化やストレス、睡眠不足などで肝の働きが乱されると眼の不調・頭痛・眩暈・のぼせ・イライラ・不眠など主に上半身の症状が出やすくなります。
このような春ならではの不調を回避するためには、一日のうち数分でもかまいませんので、ゆったりと穏やかな時間を過ごすこと、また睡眠をしっかり取ることが大切です。特に「肝」に対応する午前1時~3時は血液が浄化され五臓が滋養されるため、夜更かしは禁物です。また上半身は少し薄着を心がけ、下半身はしっかり保温して冷えから来る胃腸のトラブルや腰痛を防ぐと良いでしょう。
また、この時期おすすめの食材は次のようなものがあります。
肝気を補うとされる、レバー・鰤・鰹・イカ・黒ゴマ・人参・枸杞・プルーン など
気の巡りをよくする(理気作用)、紫蘇・玉葱・大根・蕎麦・柑橘類 など
気のエネルギーを高める(益気)、鯛・鰆・鶏肉・羊肉・キャベツ・南瓜・長芋・ジャガイモ・米 など
春に旬を迎える食材は肝や脾を補ったり気の巡りを良くする作用のあるものが多く、やはり旬のものを美味しく頂くのが理に叶っていると言うことですね。
寒さが厳しく、室内でじっと過ごすことも多かった今年の冬。少しずつ春の日差しを求めて外に出て、適度に身体を動かして気を外に発散させつつ、美味しい食事で元気を養いましょう!
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